
経営者と役員とは?違いと人脈への活かし方
2024年6月時点の情報です。経営者とは会社を実質的に動かす立場の総称であり、役員とは会社法上「取締役・会計参与・監査役」など法律で定められた機関の構成員を指します。両者は重なることも多いですが、法的な責任範囲や交流会での名刺の見せ方が変わるため、混同すると人脈づくりの場でも誤解を招きやすい言葉です。
本記事では、経営者・役員という言葉の定義整理から、異業種交流会やビジネスマッチングの場で「自分の肩書きをどう説明するか」まで、人脈経営ラボが独自に取材した交流会参加者100名アンケート(2024年春実施)のデータも交えて解説します。
経営者とは何か:法律上の定義がない言葉
「経営者」という言葉自体は、実は会社法や商法に明確な定義がありません。一般的には、会社の意思決定を行い、事業運営の責任を負う人を指す社会通念上の呼び方です。
具体的には次のような立場の人が「経営者」と呼ばれます。
- 株式会社の代表取締役、取締役
- 個人事業主(屋号で事業を営む人)
- 合同会社の代表社員
- NPO法人など非営利組織の代表理事
法人格の有無や規模を問わず、「事業の最終責任を負っているかどうか」が実質的な判断基準になります。中小企業庁の統計でも、日本企業の99%以上は中小企業・小規模事業者であり、経営者の多くは同時に現場の実務も担っています。詳細な統計データは中小企業庁の公式サイトで確認できます。
経営者=役員とは限らない理由
個人事業主は法律上「役員」という機関を持ちません。株式会社化していない限り、役員という肩書きは存在せず、あくまで「事業主」「代表」という呼び方になります。つまり「経営者」は幅広い概念であり、「役員」はその中の株式会社特有の法的な立場、と整理すると理解しやすくなります。
役員とは何か:会社法で定められた機関
役員とは、会社法上で会社の機関として定められたポジションの総称です。主に以下の3つに分類されます。
1. 取締役:会社の業務執行を決定する機関。株式会社には最低1名必要。
2. 会計参与:取締役と共同して計算書類を作成する機関(設置は任意)。
3. 監査役:取締役の職務執行を監査する機関(一定規模以上の会社では設置義務あり)。
このほか、執行役員という肩書きもよく聞きますが、これは会社法上の「役員」とは異なり、多くの企業が独自に設ける社内呼称(従業員としての役職)です。名刺交換の際にこの違いを知らないと、「執行役員=法的な役員」と誤解してしまうケースがあるため注意が必要です。
役員報酬と責任の重さ
役員は従業員と異なり、会社に対して善管注意義務・忠実義務を負います。法令違反や任務懈怠があった場合、会社や第三者に対して損害賠償責任を問われる可能性があります。役員報酬の決め方や税務上の取り扱いは複雑なため、具体的な金額設定や損金算入の可否については、必ず税理士など専門家や国税庁の公式情報を確認してください。
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記事づくりを任せる →交流会で役立つ「肩書きの説明」実例
人脈経営ラボが異業種交流会参加者100名に行ったアンケート(2024年春実施)では、「初対面で肩書きの意味を聞き返された経験がある」と回答した人が42%にのぼりました。特に「執行役員」「社外取締役」「監査役」といった肩書きは誤解されやすい傾向が見られました。
実際にあった失敗例として、ある50代の参加者は「執行役員」の名刺を出したところ、相手から「では会社の意思決定権をお持ちなんですね」と誤解され、後の商談で認識のズレが生じたと語っています。執行役員は法的な役員ではなく従業員扱いのケースが多いため、交流会では次のように一言添えると誤解を防げます。
- 「取締役です。会社法上の役員として経営に責任を持っています」
- 「執行役員という社内呼称で、現場の事業責任者を務めています」
- 「代表取締役ですが、実質は一人社長で現場も兼務しています」
こうした一言があるだけで、名刺交換後の会話の質が変わり、その後の商談や紹介につながりやすくなることがあります。
名刺交換の場での注意点
交流会では肩書きだけで相手の権限や決裁力を判断してしまいがちです。しかし中小企業では代表取締役が実務すべてを兼ねる一方、大企業の執行役員が事業部単位で大きな予算を動かしていることもあります。肩書きはあくまで目安の一つとして捉え、実際の事業内容や決裁範囲は会話の中で確認する姿勢が、質の高い人脈構築につながります。
経営者・役員としての肩書きを人脈に活かす3ステップ
1. 自己紹介の型を用意する:肩書き+法的な立場+事業内容を10秒で説明できるようにしておく。
2. 相手の肩書きの背景を軽く尋ねる:「御社では役員は何名くらいいらっしゃいますか」など、規模感を掴む質問を用意する。
3. 交流後のフォローで役割を再確認する:名刺交換の勢いで終わらせず、メールや紹介の場で改めて相手の権限・関心領域を確認する。
異業種交流会やビジネスマッチングサービスを活用する際は、こうした基本を押さえておくことで、単なる名刺交換で終わらない継続的な関係構築がしやすくなります。
まとめ:定義を理解して人脈構築の質を高める
経営者は社会通念上の呼び方であり、役員は会社法上定められた法的な機関です。この違いを理解しておくことで、交流会での自己紹介や相手の肩書き理解の精度が上がり、誤解によるビジネスチャンスの取りこぼしを防げます。会社の機関設計や役員責任の詳細については、専門家や公式情報を確認しながら、正確な理解のもとで人脈づくりに活かしていきましょう。
記事の内容について改善提案やご意見がありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお寄せください。
よくある質問
- Q. 経営者と役員はどちらが偉いのですか?
- A. 上下関係を単純に比較できる言葉ではありません。経営者は事業運営の責任者を指す社会通念上の呼び方で、役員は会社法上の機関の一員です。代表取締役のように両方を兼ねる立場もあれば、個人事業主のように役員という概念自体が存在しない経営者もいます。
- Q. 執行役員は会社法上の役員に含まれますか?
- A. 多くの企業で執行役員は会社法上の役員ではなく、従業員としての社内呼称です。ただし企業によって制度設計が異なるため、実際の権限や雇用形態については各社の規定を確認することをおすすめします。
- Q. 個人事業主は交流会で自分を経営者と名乗ってよいですか?
- A. 個人事業主も事業の意思決定と責任を担う立場であるため、経営者と名乗ることに問題はありません。ただし役員という肩書きは法人特有のものなので、混同しないよう注意が必要です。



